教育再生の条件〜経済学的考察〜
財政学がご専門の神野直彦教授渾身の力作。
『教育再生の条件〜経済学的考察〜』
先般の佐久市教育委員会協議会の席上でも取り上げました。
神野教授曰く、
言うまでもなく教育は、財政と深く結びついている。しかし、教育を財政学からアプローチすると「教育の現場」を知らない素人が、教育問題に口出しをするなと非難される。もちろん、本書もそうした謗りを浴びるに違いない。
としたうえで、
しかし、いったい「教育の現場」とは、どこなのだろうか。工場は「教育の現場」ではないのだろうか。家庭は「教育の現場」ではないのだろうか。
さらに、
本書では財政学的アプローチから、「教育の現場」は社会のあらゆる活動場面に散在していると考えている。つまり、すべての社会の構成員が「教育の現場」に身を置き、教育実践に携わっていると想定している。
との前提から、独自の教育再生論を展開されています。深いです。
また、解説を加えておられる教育学者の佐藤学教授もまた明快であり、佐藤教授曰く、
「教育再生の条件」の「経済学的考察」と銘打たれた本書は、どの教育書よりも「教育危機」の構造を根源的に開示し、「再生の条件」を浩瀚な論述でまとめ上げている。
とされています。
私は教育学は専門ではないので「どの教育書よりも」という評はできませんが、神野教授の深い考察に圧倒されました。